1.CD 奥山の牡丹
【歌劇 奥山の牡丹・解説】
●大正三年二月初演,伊良波尹吉の手による大型歌劇である。
土族の若者と賤民の娘の恋に始まり,物語は復讐劇となり,やがて,親子二代にわたる骨肉の情愛を描いて幕となる。
まったくの余談になるが,大衆文学の大御所吉川英治は「いかにすれば,大衆小説が書けるか」という弟子の問に「恋,裏切り,復讐,骨肉の情,これにちょっと笑いを加えたまえ」と答えたという。
歌劇「奥山の牡丹」は,まさにそれらの要素をすべて取り入れて構成されている。小デュマの名作「椿姫」にヒントを得た劇構成もさることながら,伊良波尹吉は,組踊りの要素の上に,「あやぐ」「でんさ節」等々,当時としては鮮度が濃かったであろう宮古,八重山の島うたを取り入れた歌劇技法を用いて,心憎いなかりの劇展開をやってのけて大向うをうならせた。
作者の実子,伊良波晃,冴子兄妹が今,二枚目看板で親の作品を舞台にかけているのも,またうれしい。
【配役】
勢頭の娘チラー:亀谷とみ子
勢頭の頭チラーの父:波田間武雄
平良の嫡子 三良:比嘉盛保
三良の母:大城志津子
総聞:知名定男
妾:我如古より子
郎党:久志貞光/吉田安男
主ぬ前 二人:徳原清文
京太郎 五人:新芸会
馬舞者 二人:金城実/宮里栄弘
山戸:山内たけし
高良の父:吉田安男
真玉律:金城洋子
真玉律の乳母:宮里康子
その他:新芸会
【地謡】
唄・三絃:知名定男/徳原清文
琴:上地律子/宮城秀子
伴奏:新芸会
2)CD歌劇 伊江島ハンドー小
〈配役〉
ハンドー小---饒辺 勝子
マチ小---仲宗根 悦子
船頭主---徳原 清文
加那---神谷 幸一
村頭---宮里 栄弘
加那の妻---石原 恵美子
村の若者二人---金城 実,松田 弘一
その他大勢---新芸会
〈地謡〉
唄・三絃---知名定男
琴---上地 律子,宮城 秀子
伴奏---新芸会
3.CD 歌劇 泊阿嘉
(配役)
阿嘉---田場盛信
阿嘉の父---松田弘一
伊佐の思鶴---我如古より子
思鶴の乳母---瀬良垣苗子
思鶴の父---波田間武雄
船頭---前川守賢
その他---新芸会
(地謡)
唄・三絃---知名定男
琴---知名定繁
伴奏---新芸会
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